なんで毎年毎年フェラーリはあんなに値がつくの?


 自動車業界は昨今デフレに陥っていると言われています。いかにコストを下げて大量生産を行えるのか、各メーカーがコストダウン競争に勤しむという構造から離れることができません。


 その一方で一部の高級車においては、巧みなブランド戦略によってここ数年値上がりが起こっています。その代表的な存在が、スポーツカーのフェラーリです。


超高級スポーツカーであるフェラーリの値段推移を見ている限り、どう考えてもコストダウン競争とは無縁のように感じられます。今回はなぜフェラーリが毎年変わらずに高値で取引されているのか考えていきましょう。


 そして、フェラーリの価格の付き方から、アンティークコイン投資に共通するものや、アンティークコイン投資に活かせることを考えていければと思います。

フェラーリの値段は30年間で2倍に


 
多くの車を見ると、過去30年間でほとんど価格が変わっていません。30年前よりも車の性能は大幅に向上しているにも関わらずです。
 例えば、1990年のカローラの価格を見てみましょう。当時の売れ筋モデルは160万円程度でした。それが時を経た今でも160万程度から購入することが可能です。
 一方でフェラーリの価格は30年前に比べて2倍に上がっています。1990年代の売れ筋モデルは1600万円程度とすでに高額でしたが、さらに値上がりして今では3000万円を超える値が付けられています。
新車だけでなく中古車も高い


 通常、中古車というのは年式が古ければ古いほど価格が下がっていくものです。しかし、フェラーリの場合は、古いほど高い価格が付けられる傾向にあります。
 何十年も前に製造された中古フェラーリが、数億円で取引されることも決して珍しいことではありません。古いタイプのフェラーリの人気は非常に高く、年式によって以下のような価格が付けられています。
 
1954年式フェラーリ 375プラス 18億円
1957年式フェラーリ テスタロッサ プロトタイプ 16億円
 1958年式フェラーリ 250テスタロッサ 約17億円
1963年式フェラーリ250GTO 56億円
1967年式フェラーリ 275GTB4 NARTスパイダー 約28億円
 このように、半世紀ほど前に発売されたフェラーリが当時よりも高い価格で取引していることは、驚くべきことではないでしょうか。
 もちろん、ほとんどの中古車フェラーリは億を付けるほど高価なものではありません。安い中古車であれば500万円程度で購入できるものもあります。しかし多くのフェラーリは、たとえ中古であっても1000万円以上で取引されているという事実があります。
 
古いフェラーリが高価な理由は?

 なぜ毎年毎年、半世紀ほどの前のフェラーリが高い価格で取引されているのでしょうか?車の性能や技術自体は今の方が優れており、実用性でも最近の車の方が優秀なことを考えれば不思議なことです。
 古いフェラーリが高い理由の一つは、フェラーリが芸術品としての価値を持っていると多くの人に認識されているからです。そして、多くの愛好家の存在が、その価値を下支えしているものと考えられます。
 
フェラーリブランドの存在が消えない限り、中古車の値段が崩れることは考えられません。
さらにフェラーリブランドを支えている理由に、制度的な要因も考えられます。それはフェラーリが独自に展開するビンテージ価値を持つ中古車のメンテナンスサービスと認定制度、フェラーリ・クラシケです。
 フェラーリ・クラシケの設置により、状態が良く価値のあるフェラーリに対して「認定」とする基準が誕生しました。これによって、価値のあるフェラーリには箔が付けられる結果となったのです。
 
フェラーリによる巧みなブランド戦略


 
自動車の価値を高めるためにはどうすればよいのでしょうか?パッと思いつくのは車の性能をアップさせることです。
性能アップには、安全性を向上させたり、乗り心地を良くしたり、スピードを上げたりすることなどいろいろな要因が挙げられます。車の性能が良いほど、多くのお金を支払っても良いと考えるのは自然なことでしょう。
 
フェラーリは言うまでもなく世界屈指のスポーツカーです。そのため、性能は非常に高いものです。しかし、フェラーリの市場価値を高めている要因は性能だけではありません。
 フェラーリが圧倒的な価値を持つ訳はブランド戦略にあると言って良いでしょう。ブランド戦略の最たるものが生産台数です。
 フェラーリ社は年間およそ7000台しか自社のモデルを生産しません。トヨタ社が年間およそ1000万台を生産していることを考えれば、いかにフェラーリの生産台数が少ないのか分かります。
 生産台数が少ないということは、当然のことながらフェラーリが市場に流通する台数も少なくなります。あえて生産台数を抑えることで、圧倒的な希少価値を生み出しているのです。
 
投資先としての魅力

投資の考え方を熟知している方であれば、フェラーリが投資対象として魅力的に感じられることでしょう。
 
近年は自動車オークションが普及したことによって、オークション市場におけるフェラーリの需要が伸びてきています。需要の伸びとともに、価格も高騰してきているという傾向があります。
 こうした傾向はまだまだ続くと予想されており、フェラーリの市場価値は今後も上がっていく可能性は十分にあるでしょう。
 フェラーリが持つ希少性やプレミア感、さらには圧倒的なブランド力を考えれば、保有しているフェラーリの価値が今後大きく下がることはあり得ないと考えられます。
                                                                                                     
アンティークコインとの共通点


 
フェラーリの持つ希少性、ビンテージ性、芸術性、投資対象としての魅力を考えたとき、アンティークコインとの共通点が見えてきます。
自動車と貨幣ということで、形、大きさ、古さ、実用性、目的は全く異なります。しかし、どちらも、多くの人のニーズに支えられた大きな価値を持つことに違いはありません。フェラーリとアンティークコインの概要を比較してみましょう。

フェラーリ
アンティークコイン
ブランドの担保
フェラーリ・クラシケ
鑑定会社
価格帯
多くが数千万円〜数億円
多くが数十万円〜数千万円
時代
1950年以降
さまざま

まとめ


 なぜ毎年毎年フェラーリにあれほどの高値が付けられるのか分かっていただけたでしょうか?その答えはフェラーリの持つ圧倒的なブランド力によって希少性が保たれているという点です。
多くの人が憧れるフェラーリに対して、供給量が少ない。このことがフェラーリの価格上昇につながっているのです。
希少性で言えば、アンティークコインも当てはまります。大昔に使用されていた古いお金は、今もこれから未来永劫決して発行することはできないでしょう。それだけに希少性は担保されていると断言しても良いでしょう。

 もちろん、フェラーリがブランド力を付けるまで長い時間がかかりました。ブランド戦略はもちろんのこと、外観的な魅力など多くの人を魅了する何かがあったのでしょう。
 フェラーリが高値で取引される理由は、アンティークコインが高値を付けるにも大方当てはまります。フェラーリの価格からアンティークコイン投資に活かせることがありそうです。
 
 

為替相場とアンティークコインって関係あるの?

為替相場とアンティークコインって関係あるの?
 
近年投資先として注目されているアンティークコインですが、現在全世界に20万種類程度存在すると言われています。世界中で価値あるコインが日々取引されている中、どうしても気になるのが為替相場と関係です。
為替レートが変動してしまうと、アンティークコイン自体の価値が変わっていないのに損をしてしまうのか心配になるでしょう。また、為替相場の動きと直接的な関係はあるのでしょうか。今回は為替相場とアンティークコインの関係性について解説していきます。
 
円安(インフレ)になるとき

 

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国内でインフレが発生すると、米ドルやユーロとの相対的な価値は下がります。物価が上がるので、例えば、これまで1ドル=110円だったのが、1ドル=120円になったりします。
言うまでもなく、アンティークコインの価値にも影響があります。これまで100万円で購入できていたアンティークコインが、110万円を支払わなくてはいけなくなるかもしれません。
いずれにしても、購入する側から見ると、インフレというのは歓迎されることではありません。
 一方で、すでにアンティークコインを保有している側から見ると、インフレは問題ありません。場合によっては歓迎すべきことです。
これはインフレによって、アンティークコインの価値が上昇するからです。これまで100万円の価値しかなかったコインが110万円の価値を持つようになることもあるでしょう。
もしも、アンティークコインを購入することなく現金で保有していたら、100万円は100万円のままです。
 全体の価価が上がっていくとき、100万円で買える量というのは減少していきます。現金を持ち続けていたら、実質的に損をしていたことになるでしょう。
 このように、アンティークコイン投資はインフレ対策としても利用されることがあることを覚えておいてください。       

円高(デフレになるとき)

 
今度はデフレーションが原因で円高になることを考えてみましょう。今度は1ドル100円だったのが、1ドル90円になったりします。アンティークコインも同様に、これまでは100万円で購入できていたものが、90万円で購入できるようになります。
 つまり購入する側からすれば、デフレは歓迎すべきとも言えます。特に現金で貯蓄を行っていた場合、これまでよりも安くい価格でアンティークコインを購入できるため、お得と考えられます。
 一方ですでにアンティークコインを保有している側からすれば、デフレは歓迎されません。100万円で購入したのに、90万円の価値しか持たなくなってしまったのであれば、コインを購入せずに現金預金をしていた方がよかったことになります。

リスク回避のときの資産として機能

ここ最近、新型コロナウィルスの問題が話題になっています。リスクが高まったことから、株式市場は一時暴落しました。また、為替相場ではリスク回避のドル買いが見られます。
 そして、いま話題になっているのが、リスク回避先として高騰している金です。コロナウィルス問題が深刻化するにつれて、金は大きく値上がりしました。2011年の高値に迫る勢いを見せています。
 実はアンティークコインも、金と同じようにリスク回避の投資先としての意味合いを持ちます。数多くの投資家に大打撃を与えたリーマンショックのときでさえ、アンティークコインが値崩れすることは一切ありませんでした。
 当時はリスク回避先の法定通貨である円が積極的に買われていましたが、円高とアンティークコインの価値上昇は同時に起こっていたことになります。
 最近は円よりもドルの方がリスク回避先の通貨になりつつあるので、今後はドルが上がれば、アンティークコインの価値が上昇するような関係性が見られるかも知れません。

今後の為替レートから、どのようにアンティークコインを買えばよいのか?

現在、世の中はコロナショックの影響を大きく受けています。それにより、株価や為替レートは乱高下しています。

そんな中、今後の為替レートを予想しながら、どのようにアンティークコインを購入すればよいのか考えて行こうと思います。

今後の為替レートはどのように推移する?

今後の為替レートはどのように変化するのでしょうか。日本人の我々が注目したい為替レートは、ドル円とユーロ円です。

まずはドル円です。ドル円はコロナショックの直後、従来通りリスク回避の行動から円買いが進み、一時101円台まで円高が進みました。

その後、前述のように、リスク回避の資産としてドルが買われる動きが見られため、その後ドル高が進み111円にレートを切り上げました。

その後は一時105円台まで値下がりしたものの、コロナ問題の出口が見えてきたため、再び円安方向に動いています。コロナショックからの回復期には、円安傾向が見られるでしょう。

ただし、購買力平価は100円未満のため、数年スパンで見ると円高方向に動く可能性が高いでしょう。

一方でユーロ円の長期的な流れはユーロ安円高方向です。ユーロ圏では、新型コロナウィルスの影響が大きかったこともあり、コロナショック時もユーロ安円高方向に推移しました。また購買力平価も100円を切るため、今後もユーロ安円高の流れが見られるでしょう。

アンティークコインの買い方は?

アンティークコインを投資として考える場合、長期的な視点というのが鍵になります。長期的にはドル円やユーロ円のレートは切り下がっていくものと見てよいでしょう。
海外のアンティークコインを、ドル建てやユーロ建てで購入することを考えてみましょう。現在、1ドル110円として、アメリカのアンティークコインを購入したとします。
 3年後、通貨レートが1ドル100円まで円高が進んだとします。もしも、コイン自体の価値が変わらないとすると、為替レートの変動によって損失を出してしまうことになります。
 ドル建てで購入した場合、ドルの価値が下がっているために、円に交換したときの価値が減ってしまいます。
 具体的な数字を使って考えてみましょう。1ドル110円だったとき、1万ドルのアンティークコインを購入したとします。1万ドルと交換した日本円は110万円です。
 しかし、3年後には1ドル100円にレートが変動したため、アンティークコインの価値は日本円で100万円に下がってしまったことになります。
しかし、為替レートを気にしなければ、アンティークコインはいつでも買い時と言えます。外国の通貨建てで購入する場合であっても、為替レートの変動分を上回る価値の増加が見込まれれば、購入してもよいでしょう。
どうしても為替レートの変動が気になる場合は、そもそも外国の通貨建てで購入しないという選択肢を取るのもありです。

 
為替レートの影響は避けられない


 アンティークコイン投資を考えるとき、為替相場の影響は避けられません。ここまで説明したように、アンティークコイン投資には2つの意味で為替レートとの関係性が存在します。
 1つはリスク回避時に資金の逃避先としての意味合いを持つという点です。基本的に円はリスク回避時に買われる通貨であるため、リーマンショックやコロナショックのように、経済にとって大きな脅威が生じたとき、アンティークコインの価値も円の価値も上昇する可能性が高いと考えられます。
もう1つは外国建ての通貨でアンティークコインを購入するときに生じる為替変動です。外国建て通貨で購入した場合、自国通貨レートが切りあがると、自国通貨で見たときのアンティークコインの価値は減少してしまいます。つまり、対外国の自国レートの強さとアンティークコインの価値は反対の関係を持ちます。
このように、アンティークコイン投資は為替レートの影響を受けます。アンティーク投資を行う際は、為替レートの変動も頭に入れておきましょう。
 

今日本の古銭ってどうなの?

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建設現場で工事中、古くて価値のある小判が見つかることがあります。もしくは家の片づけをしていると、原型が分からないほど古い硬貨が見つかることもあるでしょう。

こうした古い通貨はまとめて古銭と呼ばれます。もちろん古銭は現在の市場で使用することはありません。しかし、直接買い物ができなかったとしても、オークションや専門店に行けば、古銭という形で高い価格をつけてもらえる場合があります。

今回は日本の古銭について、歴史を振り返りながら、現在どのような価値を持つのか紹介していこうと思います。

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PCGSとNGSで査定は変わる?

PCGSとNGSで査定は変わる?

アンティークコインの価値を裏付けてくれるのが、第三者による鑑定です。その第三者鑑定機関の大手にはPCGSとNGCがあり、これまで多くのコインが両社によって評価されてきました。
PCGSやNGCといった第三者鑑定機関が設立されるまでは、アンティークコインは結構大雑把にグレードを付けられていたのをご存知でしょうか。当時は「未使用」「極美品」「美品」など、わずか数種類のグレードしかありませんでした。
第三者鑑定機関の設立以降は、70もの細かいグレーディングが行われるようになったのですが、より細かいグレーディングが行われになったということで、第三者機関による鑑定のズレが生じるようになります。
 特に、大手鑑定会社のPCGS社とNGC社の鑑定結果の傾向の違いは、話題に上がることが多くなっています。もちろん、どちらも信頼できる鑑定専門機関ですが、両社で鑑定の仕方や結果の傾向は異なるのでしょうか。


そもそもコイン鑑定会社の役割とは?

 

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NGC社やPCGS社をはじめ、コイン鑑定会社の役割とはどんなことがあるのでしょうか。まずはそこのことから学んで行きましょう。
コインの真贋を見極める

アンティークコインには残念なことに数多くの偽物が出回っています。そのため、鑑定会社が鑑定を行う際は、まずコインが本物なのかどうかを見極めなければなりません。
鑑定会社には専門家が在籍しているので、専門家のスクリーニングを通ったコインは安心して購入することができます。
反対に、インターネットオークションなどに流通しているものは、専門家によるスクリーニングを通っていたないため、偽物の可能性もあり、信頼性にはやや欠ける傾向にあります。
コインのグレーディングを行う
鑑定会社の役割にはコインのグレーディングがあります。グレードとは、コインの状態のことです。製造時の状態に近いものの方が、より高いグレードが付けられる仕組みになっています。
ちなみにグレードの付け方は鑑定会社によって微妙に異なります。後で説明するように、NGC社とPCGS社では、グレーディングの厳しさが違います。
スラブ(保護カバー)に封印する
3つ目の鑑定会社の仕事として、スラブに封印することがあります。スラブとはコインを保護するケースのことです。
スラブには以下の内容が記入されています。
・コインの番号
・年号
・発行国
・通貨単位
・グレーディング
アンティ―クコインを保護する役割を担うのと同時に、きちんと鑑定されたコインであることを証明する意味も持ちます。
NGC社とPCGS社の違いとは?

次にNGC社とPCGS社、それぞれの鑑定会社の特徴について確認していきましょう。NGC社もPCGS社も数多くの鑑定実績を持つ会社ですが、両社にはどのような違いがあるのでしょうか。
NGC社の特徴は?
NGC(Numismatic Guaranty Corporation)は1987年にアメリカフロリダ州で発足した第三者鑑定機関です。NGC社の大きな特徴は、鑑定可能なコインの年代の幅広さです。中世のものから現代のものまで幅広く取り扱っています。
 また、コインによってはPCGS社では取り扱っていない古代のコインも鑑定も可能です。NGC社のコインを保管するケース、スラブの特徴は白いためとても上品な印象を受けます。
PCGS社の特徴は?
PCGS(Professional Coin Grading Service)は1985年にアメリカカリフォルニア州で発足した第三者鑑定機関です。
デビッドホール(David Hall)氏らによって設立されたPCGS社は、鑑定サービスを拡充させていき、全米でのコイン市場拡大に大きく貢献しました。近年は中国やヨーロッパにも進出を果たし、同地域でのアンティークコイン普及に貢献しました。
1985年の設立以来、累計で3100万件以上の鑑定が行われ、その総額は約3兆円にも及びます。NGS社よりも歴史は古く、鑑定実績も豊富なのがPCGS社の強みです。
スラブの評判が良いのもPSGC社の特長です。高級感があってなおかつ透明なケースからは開放的なイメージが感じられ、アンティークコインをよりよく魅せることができると評判も上々です。
NGC社の方がPCGS社よりも良い鑑定結果が出る?


                                                                                                                          
NGC社とPSGC社両方に鑑定を依頼した場合、NGC社の方が高いグレードが付けられる傾向にあります。
 鑑定結果を2社以上に出すことはクロスオーバー鑑定と呼ばれます。例えばNGC社では60のグレードをもらったのに、PSGC社では59だったということはよくあります。
こうした鑑定結果の違いは、たまに発生するわけではなく、ほとんどのケースでこのような鑑定結果の違いが見られます。
 
鑑定結果のズレは価格に響くことはない
 
NGC社の方がPGSC社よりも良い鑑定結果が出るのであれば、みんながNGC社で鑑定してもらうのでは、と思われるかもしれません。
 
しかし、実際にはPGSC社で鑑定してもらう収集家も大勢います。その理由は、2社の間で生まれた鑑定結果のズレは、アンティークコインの価格に影響を及ぼさないからです。
 
市場や販売店、収集家の間では、NGC社はPGSC社よりも高いグレードを付けることが十分に認識されています。したがって両社の鑑定結果のズレは価格に織り込まれることになります。
次の例で考えてみましょう。2つのコインを、それぞれNGC社とPCGS社で鑑定してもらったところ、以下のように鑑定結果の差がついたとします。
・コインA  グレード65(NGC社による鑑定)
・コインB グレード65(PCGS社による鑑定)                                                                             
どちらのコインも同じグレードが付けられていますが、もしもグレード以外の条件が同じ場合、市場で付けられる価格は評価の厳しいPCGS社によって鑑定されたコインBの方が高くなります。
このことは、アンティークコイン市場参加者はPCGS社とNGC社で評価の付け方に差があることを認識していることを意味します。したがって、市場価格という観点からは、どちらの鑑定会社を選択しても同じということになります。

アンティークコインを鑑定してもらうときのポイント


市場価格という点からは、どちらの鑑定会社を選択したとしても、得をすることも損をすることもありません。

両社の鑑定方法や査定方法について、より理解を深めるために詳細をチェックしていきましょう。

タイプによって異なるアンティークコインの価値

アンティークのタイプはミントステイト(MS)とPROOFグループ(PR)に分けられます。ミントステイト(MS)は通常の流通過程によって造成されたものの、使用されたことのないコインのことです。

ミントステイト(MS)最大の特徴は品質にバラツキがあることです。コインによっては大した価値にならないものもあり、鑑定結果にも差が生じやすい特徴があります。

一方でPROOF(プルーフ)はコインの表面がきれいに磨かれ、見た目が非常に美しい特徴を持ちます。さらに検査は厳しく取り扱いも丁重に行われるため、製品水準が高いものばかりとなっています。

基本的にはどちらに鑑定してもらってもOK
最後になりますが、NGC社とPCSG社、どちらに鑑定してもらってもアンティ―クコインの持つ価値が変わることはないということが言えます。どちらも実績のある鑑定会社なので、安心して鑑定を任せることができるでしょう。
唯一大きく異なる点はスラブです。NGC社の白色のスラブ、PCGS社の透明のスラブ、お気に入りのアンティ―クコインにどちらが似合うのか、鑑定に出す際は考えて見ると良いでしょう。

 

なぜ日本ではアンティークコインが認知されていないのか?


なぜ日本ではアンティークコインが認知されていないのか?

世界ではアンティークコインの数多くの愛好家たちがいますが、日本ではアンティークコインの知名度はあまり高くありません。

この記事では日本のアンティークコインの価値が低い理由を文化、学問、習慣などから考えられるものを洗いざらい紹介していきます。

市民の生活に根付く欧米のコイン文化

日本とは違い、アメリカとヨーロッパでは、アンティークコインが市民の生活の一部となっています。

 

アメリカのコイン文化
 

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現在、約6000億円の市場規模を誇るアメリカのアンティークコイン市場。日本よりもはるかに大きな市場規模があります。
 この理由に、アメリカにはコイン文化が根付いているからということが挙げられます。街を歩けば、数分ごとにコインショップを発見するくらい多くのお店があるため、アメリカ人にとってアンティークコインは身近な存在と言えるのです。
 また、アメリカ合衆国という国は、欧州諸国に比べると歴史が長くありません。それだけに、アンティークコインという歴史の重みを感じられる商品に魅力を感じやすいのでしょう。
ヨーロッパのコイン文化
 
ヨーロッパの人にとってアンティークコインはものすごく身近な存在となっています。例えば、イギリス大英博物館の向かいには多くのアンティークコインショップが軒を連ねています。
 さらにフランスやイタリアなどでも、街を歩けば多くのアンティークコインショップを目にすることができるでしょう。
深い歴史のあるヨーロッパの街並みと、アンティークコインの存在というのは非常にマッチします。ヨーロッパの歴史を思い浮かべながら、アンティークコインショップ巡りを行うことは、市民の生活の一部となっています。
 
欧米では当たり前の貨幣学の存在


 
皆さんは貨幣学という言葉を聞いたことがありますか?おそらく「ない」と答える人が多いのではないでしょうか。
 
日本において貨幣学は非常に古く、西暦700円頃から行われていました。ただ、古銭や収集の意味合いが強く、一般的な学問としてはあまり認知されていません。
 
一方で欧米など先進諸国では、貨幣学は広く知られた学問となっています。現在の研究対象は、主に17世紀半ばに流通していたコインです。相対的な希少性やコイン造幣に関する歴史も研究対象となっています。
 
日本の貨幣の歴史が古いことを考えれば、日本で貨幣学がもっと普及してもよいものと考えられます。

アンティークコインの知名度が日本で低い理由は?

次になぜ日本でアンティークコインの知名度が低いのか考えていきましょう。
 
東京オリンピックでコインブームが起こるも・・・
 
日本でもコイン収集は富裕層を中心に行われてきました。古くは江戸時代前期、寛永通宝の発行で、多種多様な円形方孔銭が廃止になったことをきっかけに古銭収集が始まったと言われています。
 ときは流れ、1964年の東京オリンピック記念の1000円通貨発行が火付け役となり、コインブームが起こりました。しかし、その後は趣味の多様化などからコイン収集は下火となってしまい、追い打ちをかけたのが金貨大量偽造事件です。
 偽造されたのは天皇陛下御在位六十年記念硬貨でした。金貨の枚数はなんと10万枚以上で、被害額はおよそ108億円にものぼりました。
こうした事件によって、日本ではアンティークコインやコイン収集に「怪しい」とか「危険」というイメージが植え付けられてしまったのでしょう。
 
アンティークコインに対する古銭という言葉

 
そのほか、日本でアンティークコインが知られていない要因は、言葉の問題があります。日本の歴史上誕生したアンティークコインとは古銭のことです。
アンティークコインという言葉は知らなくても、古銭、小判、大判、金貨といった言葉は知っているという人が多いのではないでしょうか。
 英語由来のアンティークコインという言葉の壁によって、日本での認知が高まらないものと考えられます。
 もちろん、古美術を表す「アンティーク」、通貨を表す「コイン」は一般的に知られた言葉です。そしてアンティークコインと聞けば、何となく「古くて価値のあるコイン」とイメージしやすいのではないでしょうか。
 言葉の意味は理解しやすいため、今後「アンティークコイン」という言葉が浸透していく可能性は十分にあるでしょう。
 
人気のアンティークコインは欧州由来のものが多いから


 日本でアンティークコインが認知されていない理由として、地理的な壁があると考えられます。現在、人気の高いコインは、1600年代〜1900年代前半に発行された欧米のもの、さらには古代ギリシャや古代ローマのものです。
 人気のアンティークコインの多くは、日本から遠く離れた欧州に由来するものです。そのため、どうしても日本での関心は下がってしまう傾向にあります。
自国の歴史と海外の歴史、どちらに関心があるかと言えば、どこの地域でも自国の歴史でしょう。人気のコインを身近に感じられる環境にあるヨーロッパが、アンティークコインの本場である感は否めません。
日本では最近になって流通経路の整備が行われたから


 
アンティークコインの流通経路は専門店かオークションに限られています。欧米においては、アンティークコインを古くから投資対象として注目していた富裕層に対して、豊富な流通経路が整備されていました。
 一方、日本でアンティークコインが注目されるようになったのは、2010年以降です。ネットオークションやフリマアプリで誰でもアンティークコインを見られるようになりましたが、それまでは一般の人がアンティークコインに触れる機会というのは皆無でした。
 流通経路が無ければ、認知がされないのも当たり前のことです。オークションサイト、専門店などの流通経路が整備された今、認知が高まる環境は整ったものと考えられます。
 
貯金が良しとされる日本の文化


 
一般的に日本では金融リテラシーを高める教育が行われていないと言われています。そうした影響からか、日本人は金融資産の多くを、金利がほとんど付かない銀行預金にしています。2018年の調査では、日本の銀行預金比率は5割を超えています。
 一方でアメリカでは現金預金比率は20%以下で、金融資産の約50%を株式や投資信託で保有しています。ヨーロッパでも現金預金比率は30%となっています。
 いかに日本人が投資を行わず、現金による貯蓄が好きであるかを表しています。リスクを好まない日本人の気質が、アンティークコイン投資をはじめ、現金や預金以外での資産運用に対して「怖い」とか「怪しい」といった先入観を持ってしまうのでしょう。
また、苦労して働くことを美徳とする日本人の価値観も、投資に対する偏見を生み出すきっかけとなっています。
今後、日本人の金融リテラシーが高まっていけば、アンティークコイン投資への人気も自然と高まって来るのではないのでしょうか。

海賊船から引き上げられたコインの価値は?

海賊船から引き上げられたコインの価値は?


トレジャーハンターが海から昔のコインを引き上げることがあります。古くから、財宝を求めて多くのトレジャーハンター達がアンティークコインを求めて航海してきました。

もちろん、アンティーコインを見つけられなかったハンターも多かったのですが、中には1枚1000万円を超えるほどの高額な金貨を見つけた者もいます。

今回は海賊船から引き上げられたコインの価値は、一体どれほどのものなのか紹介していこうと思います。

 

史上もっとも莫大な財宝をサンミゲル号とは

 

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海賊船とともに海に沈む財宝。その価値は一体どれほどのものなのでしょうか。まずは史上もっとも大金を積んだと言われるサンミゲル号について紹介します。

ときは1701年に遡ります。当時スペイン王位継承者をめぐり、フランスとヨーロッパ諸国の間でスペイン継承戦争が勃発していました。1714年に和平が成立し、フェリペ5世がフランス王位の継承権を放棄することを引き換えにスペイン王に即位しました。

戦争は終了したものの、スペイン王は国庫を満たす必要に迫られていました。そこで、戦時下には輸送することが難しかった財宝を、スペイン植民地からスペインへ輸送するように命じたのでした。

すでにアメリカ大陸で略奪を行った財宝は、キューバに係留していたスペイン戦艦11隻などにどっさりと貯まっていたのです。

しかし、輸送を命じられたのは、ちょうどハリケーンの季節。輸送途中に激しい嵐に巻き込まれた末、ほとんどの船は粉々に砕け散ってしまったと言います。

数多くの財宝を含む積み荷は、なんと難破後の数か月で半分が回収されました。しかし現代でも船が沈没したフロリダ沿岸には財宝が眠っています。

さて、この莫大な財宝を求めてこれまで数多くのトレジャーハンターが現地を訪れてきました。海に網を投げ入れた者、ビーチでコインを見つけた者、ダイビング中に鳥の形の装飾品を見つけた者など様々です。

しかし、沈没した11隻がすべて見つかったわけではありません。残り4隻はいまだ行方不明のままです。そして、残り4隻の中でもスペイン財宝船団の中で最速を誇っていたサンミゲル号には最も多くの財宝が積まれていたと言われています。

海賊船から引き上げられたコインの価値は?

それでは、海賊船から引き上げられたコインの価値はどれほどのものなのでしょうか?おそらく一番気になる点ではないでしょうか。

2015年、300年前に沈没したスペイン財宝船団の船から多数の財宝が引き上げられました。その中身は金貨52枚、銀貨やボタンが110枚、さらには12mの金の鎖というものでした。

これらの総額はなんと100万ドル。日本円で1億2000万円以上の価値を持つと言います。金貨52枚、銀貨など110枚という枚数で、1億円以上の値が付くのは驚くべきことです。非常に古いコインということで、必ずしも状態の良いものだけではなかったにもかかわらずです。

さて、この船団を発見したのはフロリダ在住のエリック・シュミット一家です。シュミット一家は捜索の独占権を持つフリート・クイーンズ・ジュエルズ社と契約を結んで、数年間捜索を行ってきました。

確実に発見できる保証がない中、この発見でシュミット一家の長期にわたる苦労が実を結んだ形になります。


ちなみに財宝発見を公表した一か月前には、すでに船を見つけていたといいます。スペイン財宝船団沈没からちょうど300年にあたる2015年7月に財宝発見を公にしました。
シュミット一家によって価値あるコインはいくら?


引き上げられたコインには様々なものが存在し、状態や歴史的な価値によって値段も様々です。そんな中、最も価値あるコインの値段は一体いくらだったのでしょう。

シュミット一家が発見した財宝船団で最も高価なものはトライセンテニアル・ロイヤルという金貨です。その価値はなんと50万ドル。日本円で1200万円以上の価値を持ちます。

一枚で1000万円以上の価値を持つということで、アンティークコインの中でも非常に高価な部類に入ります。シュミット一家が発見した財宝全ての価値のうち、10分の1をトライセンテニアル・ロイヤルが占めることになります。

何故トレイセンテニアル・ロイヤルがこれほどの価値を持つのでしょうか?その答えは希少性にあります。トレイセンテニアル・ロイヤルは、2015年に発見されたとき、全世界で6枚しか見つかっていなかった非常にレアなコインです。

世の中に出回っている数の少なさが希少性を生み、1枚1000万円以上という超高額な値を付けたというわけです。
日本の発掘プロジェクトで発見された幻の金貨ロイヤルコイン


同じくスペイン財宝船団の海賊船から引き上げられたコインで高価なものを紹介していきます。スペイン財宝船団からは、1000万円以上の価値を付けるトライセンテニアル・ロイヤルをも上回る金貨が存在します。


その名はロイヤルコイン。スペイン王伝説の秘宝として知られています。世界にわずか50枚ほどしかない伝説の金貨です。50枚のうち、20枚はフェリペ5世の結婚を祝うための贈答品としてスペイン財宝船団に積み込まれていました。

この幻の金貨を狙った発掘プロジェクトが2015年の夏に日本でスタートしました。参加したのは俳優の市原隼人です。

調査データ、最先端テクノロジー、さらには伝説の古文書を参考にしながら、財宝発掘に挑戦します。その結果、幻の金貨ロイヤルコインを見つけたのです。その数は何と10枚。発見当時の様子はテレビ番組にも収録され、テレビ史上に残るシーンとなりました。

その後、専門家による鑑定が行われます。鑑定結果は総額で10億円という破格のものでした。一枚当たり1億円にもなり、ロイヤルコインの価値の高さを改めて知ることになったのです。

まとめ

海賊船から引き上げられたコインの価値がいかに高いものなのか、知って頂けたと思います。今回は1715スペイン財宝船団を取り上げましたが、世界の海底には様々な海賊船が眠っていると言われています。

はっきりと記録が残っているもの、伝説として語り継がれているもの、人々に気づかれずにひっそりと海底に眠っているものもあるでしょう。

コインには王室や貴族の秘宝として、貴重な芸術作品として、文明や都市の象徴としての価値があります。ロイヤルコインのように、中には1枚で1億円という貴重なコインも含まれています。

海賊船にはアンティークコインファンを惹きつける夢とロマンが詰まっています。トレジャーハンターになるのは非常に大変ですが、すでに引き上げられたコインの中には市場に流通しているものもあります。

コインの価値を決定する希少性という点で言えば、海賊船から引き上げられたアンティークコインは非常に高い価値を持ちます。さらに、希少性の高さは今後の価値も担保してくれることは間違いありません。


 

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